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慈母観音坐像     埼玉県・秩父  金昌寺

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この慈母観音は石仏の下絵として浮世絵師の喜多川歌麿から範をとったとされます。
今まで見てきた石仏のなかでこれほど動的なものは無かったと思います。
仏像の範疇から飛び出した、近代彫刻かと思えるほどの傑作です。
造られた年代は寛政四年(1792)で、伊勢の大黒屋光太夫が太平洋で遭難し、
10何年経ってロシア使節ラクスマンと根室に来航した時代です。
歌麿が活躍していた時代でもあり世相としては躍動感があったと想像します。
造立者は現在の日本橋・高島屋近辺(東都通油町)に棲んでいた 吉野家半左衛門 で、
職業は不明ですが、先祖近親供養にという主旨で造られたそうです。
今となっては、名石仏を残して下さったものです。
不思議なのは、いくら供養とはいえ乳飲み子とはいえ、
女性が半身裸で乳房をさらしている姿に、幕府は、よく容認していたものだと思うのです。
浮世絵の世相と信仰心の綱引きだったのか、未来の至宝と見抜いていたのか?
その辺のドラマをもっと探ってみたい気持ちです。  

                金昌寺の石仏(日本石仏協会埼玉支部 編纂)  参照

視点を変えて

by TGokuraku-TOMBO | 2009-11-27 00:01 | Comments(4)