中央アルプス縦走二日目
2日目のコース
木曽殿山荘(2490m)~空木岳(2863.7m)~駒石~ヨナ沢の頭(2282m)~小地獄・大地獄~マセナギ~池山小屋~タカウチ場~林道終点
空木岳山頂へは山荘からほぼ直登1時間30分の行程です。やっと山頂かと思いきや第1ピークで、それから2~3のピークを踏んで登頂です。
第1ピーク手前から、木曽駒ケ岳、宝剣岳が見えます。宝剣岳の少し下の極楽平からの稜線を歩いてきました。
もう一息で空木岳山頂です。
山頂から南駒ケ岳を展望。下山前の一瞬だけ靄が晴れました。
下山も大・小地獄や迷尾根と鎖場、ハシゴ、ロープの難所がありましたが、無事 菅ノ台バスターミナルに着くと、苦労も飛んでしまいます。でも、予想外の距離の長さと岩稜の険しさは中級者以上のコースではなかったのかと思い返します。
少し長くなりますが、気になるコースガイドと、遭難事故の報告を載せることにします。
千畳敷から空木岳への縦走コース・ガイド
空木岳は中央アルプス(木曽山脈)のほぼ中央に位置する秀峰で、日本百名山にも選定されている標高2,864 mの山です。山体は花崗岩に覆われ白い山肌と好展望が魅力です。 駒ヶ根ロープウェイを使い一気に標高2,650mの千畳敷まで上げれば、容易に中央アルプスの主稜線を縦走することが可能です。 駒ヶ根ロープウェイは多くの観光客に親しまれ、シーズン中は大変混雑するため、3時間待ちもあり得ます。その為、前日に駒ヶ根高原に宿泊し、朝一番のロープウェイに乗ることをお勧めします。また、前日にホテル千畳敷、乗越浄土に建つ宝剣山荘、天狗荘などに宿泊すると余裕をもって行動できます。 宝剣岳から檜尾岳~熊沢岳~東川岳を縦走すれば木曽殿山荘までが一日の行程となります。 健脚者はさらに進んで空木岳の山頂を目指し、山頂直下に建つ駒峰ヒュッテに泊まる事も可能です。 山頂は花崗岩で覆われ、第一ピークから第二ピークの通過が核心部です。 要所には鎖や金属製のステップが設置され、難易度は高くなく、登山初心者でも問題なく通過できるはずです。
(これを書いた人は、自分ではこのコースを踏破していないと思います。)
NEWSポストセブン が 書いた記事 2013.09.28
韓国人グループが遭難・死亡 中央アルプスの本当の恐ろしさ
今年7月29日、長野県駒ヶ根市の中央アルプス檜尾岳(2728M)付近で、ツアー登山の韓国人パーティー計4人が亡くなった遭難事故。死亡時に薄手のカッパを着ていたことから、軽装であったことが死につながってしまったと各メディアは指摘した。しかし、中央アルプスには歴戦の登山者をも唸らせる恐ろしさがあることを報じているメディアは少ない。まず、この韓国人グループが目指した縦走ルートを確認しておこう。彼らは、池山林道(標高約1200M)から入山し、その後空木岳(2864M)を目指し、空木直下にある「木曽殿山荘」で一泊。翌日、東川岳(2671M)~熊沢岳(2778M)~檜尾岳~宝剣岳(2931M)というルートを縦走する予定だった。1600Mほど登らなければならない初日と、比較的同じ標高の稜線を歩く2日目。宝剣岳の眼下には、ロープウェイの千畳敷駅もある。「翌日は雄大な景色を眺めながら、高低差の少ない稜線をのんびり歩いて、最期はロープウェイで簡単に下山」。そんな青写真を描いていたのかもしれないが、ここに大きな落とし穴がある。2日目は一見、アップダウンが少なさそうに思えるが、実はとんでもなくハードなのだ。中央アルプスの頂上付近は、どの山も基本的に傾斜角度45度越えのガレ場。鎖や足場はほとんど作られておらず、フリーハンドでよじ登る体力と技術が必要とされる。しかも、この縦走ルートは、それぞれの山につき2つはピークがある。空木岳にいたっては、第一ピーク、第二ピーク、第三ピーク(ここが空木岳の頂上)と3つもある。各ピークの間には100Mほどのアップダウンがあり、それを乗り越えてようやく本丸の頂上に到達することができる。そして、次の山を目指すため200Mほど降りて、再び各ピークに挑むというわけだ。もちろん、てっぺん付近はガレ場となる。山小屋のご主人が、空木岳を目指す登山者に、「ストックは邪魔なだけです。リュックにしまって、手足をフル活用できるようにフリーハンドで登ってください」と呼びかけていたことを思い出す。つまり、空木岳~東川岳~熊沢岳~檜尾岳~宝剣岳という名前の着いた山を大ボスと呼ぶとすると、それぞれの間に中ボスと呼べるピークが切り立っており、さながらノコギリの刃の上を歩いているようなアップダウンを繰り返えさなければならない。大ボス-中ボス-中ボス-大ボス、このようなセットを4~5回繰り返すわけだ。はっきり言って、軽装うんぬんの話じゃないのだ。 標高の数字だけ見ると、高低差の少ない気持ちの良さそうな縦走ルートに見える。しかし、その正体は、体力がない人、実力がない人は力尽きてしまう高難易度の縦走ルートだったのだ。
中略
そして、このルートは道案内の目印となるリボンやマーキングがわかりづらいということもポイントだ。連続したピークが次から次に現れるということは、道なき道であるガレ場をよじ登っていくことになる。 見えるところにリボンがないと、どこから進んでいいかわからなくなってしまうため、天候が良くないときは、道に迷うことも珍しくない。正直なところ、この悲惨な事故を見直す意味も含め、マーキングは再考していただきたいところだ。 最後に、このグループは檜尾岳周辺で遭難している。最終目的地は、宝剣岳である。全行程の約半分付近で力尽きてしまったということになる。檜尾岳には天気の良いときは視認できる避難小屋があるのだが、それすらわからないほどの悪天だったことが伺える。ハードな登り返しによって体力が力尽き、視界不良による不安から精神的な疲労も重なったのだろう。 「軽装だったから」の一言では、この避難事故を正視すること不可能だ。きちんと、自分が登る山と向き合いシミュレーションすることを心がけなければならない。装備が揃っていても、実力がなければ死んでしまう。もちろん、薄手のカッパという装備は言語道断だ。
by TGokuraku-TOMBO | 2016-08-27 16:29 | Comments(0)